書評『ジョン・ハンケ 世界をめぐる冒険 グーグルアースからイングレス、そしてポケモンGOへ』
ジョンハンケの自伝が出たと知って鳥取から帰宅して早速読みました。
ビジネスの世界にイノベーションという言葉があります。
新しいアイデアから社会的意義のある新しい価値を創造することです。
ハンケが主要な立場で開発に関わったイノベーションはこれだけあります。
- Meridian59 1995
- Google Earth 2001
- Google Map 2005
- Street View 2007
- Ingress 2013
- Pokemon GO 2016
- Harry Potter : Wizards Unite 2018?
普通、ひとつでも価値のあるイノベーションを創造できたら創り手冥利に尽きると思うのですが、こんなにもイノベーションを創造し続ける人がこの世の中にいるなんて、まさに「驚異的で、芸術的」な事です。
Meridian59
大学時代に同級生が世界初の商業用 MMORPG を作るのですが、ハンケはその企業に参画します。そもそも同級生が在学中に世界初の商業用 MMORPG を作っているという状況が凄すぎます。持って生まれた運が別格な人という印象です。当時、Meridian59 を少しだけプレイしたことがあるのですが、新しいゲームの幕開けを強く感じました。Diablo、Ultima Online、EverQuest とともに今でも強く心に残っているゲームです。
人生において本当に重要な選択
ハンケは MBA を取得した後、ゲーム会社で働くか、高額の報酬を求めて転職するかの選択に迫られて、最終的にゲーム会社を選んだそうです。ゲームを捨ててビジネスの世界に行ってしまう超優秀な人が多い中、ゲーム業界に残り、好きな事をやり続けた結果、社会を革新するイノベーションを生み続けるのはなんとも痛快です。一貫して自分の信念に従う人です。
Keyhole
ハンケはのちに Google Earth を生みだす Keyhole というベンチャーに参画します。
Keyhole の元々の目的は、3Dゲームハード用の汎用ミドルウェアを開発することだったそうです。
今でこそ Unity や Unreal Engine など3D汎用エンジンは普通になりましたが、2001年当時、その重要性に気付き、実際に行動まで起こした人は少なかったように記憶しています。どこまでも行動の人という印象です。
Keyhole は、SGI(3DCGの業界で最も有名だった会社)のメンバーと創業するのですが、あの SGI のメンバーと創業ってだけでワクワクします。
Ingress
Ingress の最初のコードはハンケ自らが書いたそうです。ここでもやはり行動の人という印象です。
『イングレス』や『ポケモンGO』に触発されてなにかつくりたいがどうしたらいいか、と訊いてくるひとたちに言いたいことも、ひとつだけです。
Make them.
つくってください。
それだけです。
あなたの頭に浮かんだアイデアがすばらしいものなのかどうかをたしかめるためには、この世の中に具現化するしかありません。
まさしく。自分もいつも心掛けています。
何か新しいことを創造したい人にお勧めの一冊です。
ジョン・ハンケ 世界をめぐる冒険 グーグルアースからイングレス、そしてポケモンGOへ
- 作者: ジョン・ハンケ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2017/11/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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それでは。